2026年の成長が追い風の日本 AI関連銘柄 8選

2026年の成長が追い風の日本 AI関連銘柄 8選

2025年もいよいよ終わりを迎えようとしていますが、株式市場は歴史的な盛り上がりを見せています。日経平均株価の年間上昇率は26%(12月24日時点)に達し、3年連続の年足上昇が確定的。この熱狂の主役は、言うまでもなく「AI(人工知能)」でした。

米エヌビディア株が3年連続で驚異的な上昇を見せる中、投資家の視線はすでに「2026年の主役」へと向いています。しかし、これまでの「AIなら何でも買い」というフェーズは終わり、より技術的な本質に根ざした AI関連銘柄 選別が求められる時代が来ようとしています。

1. AI相場に訪れる「構造変化」の波

これまでAI市場は、エヌビディア製のGPU(画像処理半導体)が「1強」として君臨してきました。しかし、2025年後半からその構図に変化の兆しが見えています。

Googleが発表した最新AIモデル「Gemini」は、ChatGPTを凌駕する性能を持つと評価され、同時にそれを動かす自社製チップ「TPU」の有用性が再認識されました。今後は「汎用性のGPU」と「特殊用途のTPU」が共存し、各社が独自のAI半導体開発を加速させる「開発競争の激化」がメインシナリオとなるでしょう。

この競争激化が、日本企業にとって以下の3つの巨大な商機を生み出しています。

  1. パッケージ技術の高度化:半導体の微細化が物理的限界に近づく中、複数のチップを効率よく繋ぐ「後工程」の技術が性能を左右するようになっています。
  2. 熱対策という「宿命」:半導体が高機能化するほど、発熱量は激増します。これを冷やし、安定稼働させる技術がデータセンターの生命線となります。
  3. 電力効率と受動部品:膨大な電力を制御し、ノイズを除去するための高品質な電子部品が、かつてない規模で必要とされています。

これらの技術的課題に対し、世界トップクラスのシェアや素材力を持つ日本企業8社を厳選しました。

2. 2026年に飛躍が期待される日本株8選

基準日:12月25日終値

コード 銘柄名 終値(円) AI進化が追い風となる理由
1969 高砂熱学工業 4,469 エレクトロニクス分野に強い空調大手。半導体工場(北海道・九州)での受注実績が技術力を裏付け。データセンター向け設備にも対応
2802 味の素 3,410 PC・AIサーバー向け半導体に不可欠な電子材料を供給。関連分野で約95%超の高シェア
4062 イビデン 12,935 モバイルPC・サーバー向けICパッケージ基板を展開。エヌビディア向けは事実上の独占、ASIC顧客拡大も期待
6227 AIメカテック 4,925 半導体の高性能化に伴い、シリコンウェハー処理技術が評価され海外から大型受注を獲得
6367 ダイキン工業 20,265 米国のデータセンター冷却市場に注力。空冷に加え、M&Aにより液冷対応製品も提供
6458 新晃工業 1,400 データセンター向け空調売上が急拡大(2025年4~9月期:22億円、前年比+76%)。2027年3月期に55億円目標
6584 三櫻工業 854 スーパーコンピュータ「富岳」に採用された水冷配管技術。データセンターの消費電力削減に貢献期待
6976 太陽誘電 3,577 AIサーバーは同社の主力製品MLCCを大量使用。AIサーバー増加が需要拡大を後押し

注記

  • 出所:Bloomberg、各社発表、報道等を基に作成

  • 「今期」=2026年3月期、「来期」=2027年3月期

  • イビデン(4062)は12月26日を権利付最終日として1:2の株式分割を実施

  • AIメカテック(6227)は東証スタンダード市場、その他は東証プライム市場上場

① 高砂熱学工業 (1969)

【空調設備業界のリーディングカンパニー】 オフィスビルから病院まで幅広く手掛ける空調最大手ですが、今最も注目されているのは「産業空調」です。特に北海道や九州で新設される最先端半導体工場のクリーンルーム施工において、同社の技術力は不可欠。 2026年3月期の営業利益予想を433億円(11月発表)へと大幅に上方修正しており、受注高も過去最高水準。半導体・電子部品分野が受注の約4割を占め、データセンター建設の増加が直接的な追い風となっています。

② 味の素 (2802)

【「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」の独占的シェア】 「うま味調味料」のイメージが強い同社ですが、実はハイエンド半導体に欠かせない絶縁材「ABF」で世界シェア95%以上を誇るハイテク企業でもあります。 ABFは、PCやAIサーバーの心臓部となるCPU・GPUの製造に不可欠な素材です。中国メーカーの台頭により食品事業が苦戦する一方、この電子材料ビジネスは極めて好調。2030年までに生産能力を5割引き上げるべく250億円超の投資を計画しており、バイオ・ファインケミカル事業が利益の柱へと成長しています。

③ イビデン (4062)

【AI半導体の進化を支えるパッケージ基板の王者】 モバイルPCやサーバー向けのICパッケージ基板で世界をリードしています。かつてはインテルへの依存度が高かった同社ですが、現在はエヌビディア、AMD、そして独自ASIC(特定用途向け集団回路)へと顧客基盤が急速に多様化しています。 特にエヌビディア向け基板は事実上の独占供給状態にあり、AIサーバー向けシェアは70〜80%に達します。直近の決算でもAIサーバー向けが牽引し、営業利益予想を610億円へと上方修正。利益率の向上も鮮明で、調整局面は絶好の投資機会となりそうです。

④ AIメカテック (6227)

【日立スピンアウト組の技術力が開花】 半導体パッケージ製造工程での「ウェハハンドリングシステム」に強みを持ちます。AI半導体の性能向上のため、ウェハを薄くしたり積層したりする工程が増える中、同社の「安全かつ正確に運搬・貼付する技術」への需要が急騰。 2025年8月には海外大手から155億円の特大受注を獲得しました。これは2026年〜2027年6月期の売上として計上される予定であり、中長期的な業績の「見え」が非常にクリアな銘柄です。

⑤ ダイキン工業 (6367)

【空調世界No.1が挑む「液冷」のフロンティア】 世界170カ国以上で展開する空気のスペシャリスト。最先端のAIサーバーは空気だけでは冷やしきれない「熱の壁」に直面しています。 ダイキンは、データセンター冷却事業を2030年に3,000億円規模(現在の3倍)へ拡大する方針です。得意の空冷に加え、企業買収を通じて「液冷(チップに直接液体を流して冷やす)」技術も確保。空冷・液冷のハイブリッド提案ができる体制を整え、米国を中心とした巨大市場を狙い撃ちしています。

⑥ 新晃工業 (6458)

【国内セントラル空調の雄、データセンターで急伸】 大型施設向け「セントラル空調」で国内トップクラス。ダイキン工業とも資本業務提携を結ぶ実力派です。 これまで再開発案件が柱でしたが、現在はデータセンター向けが爆発的に伸びています。同分野の売上高は前年同期比76%増と急伸中。製品の販売だけでなく、保守・メンテナンスまでトータルで提供できるビジネスモデルが強みで、2027年3月期に向けた成長シナリオが描かれています。

⑦ 三櫻工業 (6584)

【自動車部品の信頼性をデータセンターへ】 独立系の自動車部品メーカーですが、その「漏れない配管技術」がAIサーバーの世界で脚光を浴びています。 過酷な振動や温度変化に耐える自動車用配管のノウハウは、冷却液の漏洩が許されないデータセンター用冷却システムと非常に親和性が高いのです。実際、スパコン「富岳」に同社のシステムが採用されていることは、技術力の高さの証明。自動車部品で培った「世界規模の量産力」を武器に、新規事業の急成長が期待されます。

⑧ 太陽誘電 (6976)

【AIサーバー1台に2万個のMLCC】 積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界3位のシェアを誇ります。スマートフォンや電気自動車(EV)にも多用されますが、AIサーバーは1台あたり最大2万個ものMLCCを消費する「巨大な需要先」です。 直近では為替の影響などで株価が軟調な場面もありましたが、AIサーバー市場の拡大に伴う需要増加は確実視されています。2027年3月期に向けた市場の営業利益予想は300億円を超え、回復軌道への期待が非常に高まっています。

3. まとめ:2026年の投資戦略

2026年のAI相場は、従来の「半導体チップそのもの」から、それを支える**「周辺インフラ・素材・冷却」**へと主役が移り変わるでしょう。

今回ピックアップした8社は、いずれも世界シェアが高く、参入障壁の高い独自技術を持っています。AIが進化すればするほど、彼らの技術はより不可欠なものとなります。「AIの進化という恩恵を最も受けるのは誰か?」という視点で、これらの日本企業の動向を注視していくことが、2026年の勝利への近道となるはずです。

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