Brilliantcryptoは、コロプラのグループ会社である株式会社Brilliantcrypto(代表:馬場功淳)が開発する新感覚のブロックチェーンゲームで、そのユーティリティトークンが BRIL (ブリリアンクリプトトークン)です。2022年にプロジェクトが始動し、2024年6月17日にPC版ゲームがリリースされました。ゲームは「Proof of Gaming」という新モデルを導入しており、ユーザーはゲーム内のNFT「つるはし」を使って鉱山を採掘し、デジタル宝石とトークンを獲得します。獲得した宝石はNFT化され、さまざまなメタバースで利用可能です。BRILトークンはPolygon(Matic)チェーン上で発行されており、つるはしの購入・強化・耐久回復やゲーム内マーケットでの宝石取引に使用できるほか、採掘報酬としてゲームプレイ中にも獲得できます。発行上限は10億BRILで、うち70%がゲーム供給(プレイヤー報酬など)に充てられる予定です。これまでに国内取引所でのIEO(Coincheck、2024年6月実施)や各国主要取引所への上場を通じてBRILの認知度向上を図ってきました。
BRILの総発行量は10億枚で、直近の流通量は自己申告で約8,441万枚(約8.44%)とされています。2024年のIEOでは1BRIL=21.6円で販売され、この初値をもとに上場後に最高値約99.6円(公募価格の4.6倍)を記録しました。しかしその後価格は大幅に下落し、2025年7月時点で約4–5円台で推移しています。これにより時価総額は約3.76億円(377百万円)、24時間取引量は数百万円程度に留まっています。下表のように、過去チャートでは2024年6月の上場直後に急騰後、2025年4月には最安値3.58円(約1ヶ月前)を付けるなど、変動の大きい値動きを示しています。
- 発行上限:10億BRIL
- IEO価格:1BRIL=21.6円
- 最高値:約99.6円(2024年6月、上場直後)
- 最安値:約3.58円(2025年4月)
- 現在価格:約4.45円(2025年7月時点)
- 時価総額:約3.76億円
- 24h取引高:約2.44百万円
上場情報
BRILは日本および海外の複数の取引所で取り扱われています。主な上場先と取引ペア・流動性状況は以下のとおりです:
- Coincheck(日本) – 2024年6月17日よりIEO・取引開始。日本円(JPY)建てでの取引が可能です。取引所・販売所両方で取扱いがあり、国内IEO史上最高額の333億円を記録しました。なお、Coincheckは日本の暗号資産交換業者であり、金融庁の認可下で運営されています。
- Bit2Me(スペイン発・欧米系) – 2024年9月10日より正式上場。BRIL/EUR、BRIL/USDTなど欧米・南米地域向けペアで取引できます。Bit2Meはスペインで登録を受けた取引所で、66ヶ国以上でサービスを展開しています。Bit2Me上での流動性は限定的ながら、欧米・南米地域での需要を開拓しています。
- Nami Exchange(ベトナム) – 2025年3月5日より上場決定。BRIL/USDTペアでの取扱いが始まり、ベトナム最大級(160万人以上の登録者)の取引所であるNamiを通じて東南アジア市場への展開を加速しています。
- QuickSwap(分散型DEX, Polygon) – DEX上ではBRIL/WPOL(Wrapped MATIC)ペアが最も流動的で、24時間取引量は数千ドルと非常に小規模です。Quickswap上の取引量は約4.7千USD/日程度にとどまっています。
その他、CoincheckのIEO後にはCoincheck以外での直接上場はBit2MeとNamiが中心であり、主要なCEXは限定的です。取引ペアは日本円、米ドル(USDT)、ユーロなどが中心で、全体的に流動性は低調です。
将来性分析
- ロードマップ・計画 – プロジェクトは2022年の発足以来、2024年にゲームとトークンのリリース・上場(フェーズ1)を完了し、今後は2025年以降にフェーズ2として獲得したデジタル宝石をNFTジュエリー化し、さらなるゲーム内外価値の実現を目指しています。
- パートナーシップ – 開発に際し、著名サッカークラブ「パリ・サンジェルマン(PSG)」とのプレミアムパートナーシップを締結し、コラボ動画を制作するなど注目度向上を図りました。欧州・南米ではCrypto Blockchain Industries(CBI)がパブリッシャーとして協力しています。取引所面でもCoincheck・Bit2Me・Namiなど海外主要取引所との連携を拡大中です。
- ユーザー・コミュニティ – 2024年5月~6月のCoincheck IEOには約79,400人が参加し、応募総額は333億円に達するなど熱狂的な関心を集めました。リリース直後からゲーム内で宝石取引が活発化し、第1週に3,000件以上の取引、第1ヶ月で10,000件以上の取引が行われました。また、2024年8月時点でDAU(1日当たりアクティブユーザー)約10,000人を記録し、既に一定規模のプレイヤーコミュニティが形成されています。
- 競合比較 – BRIL/BrilliantcryptoはPlay-to-Earn分野の新興プロジェクトであり、競合ゲームとしては『Axie Infinity』や『The Sandbox』などがありますが、BRILは大手ゲーム会社の開発力と独自の「Proof of Gaming」モデルを武器に差別化を図っています。日本発の品質と、世界的なパートナー(PSGなど)・取引所ネットワークを活用したグローバル展開が特徴です。
- 規制・環境 – 国内ではCoincheckのIEOを通じて合法的にトークンを発行・上場しており、日本の金融庁監督下で運営されています。今後も各国の暗号資産規制を順守しつつサービス展開を進める見込みです。国際的な暗号資産規制の変化には注意が必要ですが、現時点でBRIL自体に大きな法規制上の問題は報告されていません。
技術的な仕組み
- ブロックチェーンとスマートコントラクト – BRILトークンはPolygon PoS上に発行されたERC-20トークンであり、総供給は10億枚です。開発会社(Brilliantcrypto社)には随時トークンを発行できる権限があります。ゲーム内アイテムの「つるはし」NFTはPolygon上のERC-721トークンで、購入時には中央管理のウォレットに保管され、外部転送時にメタデータが更新される仕組みです。採掘で得られる宝石はEthereum上のERC-721トークンとしてNFT化でき、発行・焼却によってゲーム内通貨としての再利用が可能です。また、将来的に導入予定の「ジュエリー」NFTもEthereum上で扱われます。
- 報酬ロジック – ゲーム内の宝石報酬は複数のオンチェーン契約で決定されます。これらはPolygonチェーン上にデプロイされたスマートコントラクトで、ビットコインのブロックハッシュをシードに用いて鉱山ごとの報酬概要や宝石の詳細(大きさ・品質・カット等)を計算します。各地域ごとに異なるパラメータを組み込んだ契約が用意され、一度デプロイされると変更不可(イミュータブル)です。この仕組みにより予測不能かつ検証可能な報酬決定が実現されており、開発者側による操作が事実上排除されています。
- セキュリティと独自性 – ブロックチェーン技術により、ゲーム資産の譲渡記録や報酬ロジックが改ざん困難な形で管理されています。報酬決定のアルゴリズムはホワイトペーパーで公開されており、第三者が結果を再現・検証できます。トークン発行量には上限があるものの、Brilliantcrypto社には新規発行権限が付与されている点に注意が必要です。ゲームクライアント自体はPC/スマートフォン向けで、Unityなどのゲームエンジンで開発されていると推測されます(公開情報なし)。
- 開発言語など – スマートコントラクトはERC-20/ERC-721の標準に従っており、開発言語は主にSolidityです。オフチェーン部分(ゲームアプリ)はC#/C++などが想定されますが詳細非公開です。システム全体としては、チェーン上のトークン/NFT管理とオフチェーンのゲームロジックが連携し、Play-to-Earn環境を実現しています。